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論文

Contributions of OECD ROSA & ROSA-2 Projects for thermal-hydraulic code validation

中村 秀夫

Proceedings of Seminar on the Transfer of Competence, Knowledge and Experience gained through CSNI Activities in the Field of Thermal-Hydraulics (THICKET 2016) (CD-ROM), 29 Pages, 2016/06

軽水炉事故時の熱水力現象の詳細解明と安全評価コードの解析性能向上を図るため、アジアでの初めてのOECD-NEA国際共同研究プロジェクトであるROSAおよびROSA-2プロジェクトが、原子力機構の主催、15ヶ国の参加で行われた。同プロジェクトでは2005年より約8年間にわたり、世界最大規模の軽水炉模擬実験装置LSTFを用いて、9課題19回の実験が行われた。一方、OECD-NEAでは、その活動によって得られた成果や経験を次代に伝えるセミナ活動THICKETを実施しており、今回その第4回において、ROSAプロジェクトで得られた成果のうち、特に安全評価コードの性能検討に焦点を当てた取り組みであるブラインド計算の成果ならびに、同時に実施されていたOECD-PKL2プロジェクトとの相互比較実験の成果など、主要な成果から得られた教訓およびLSTF実験の有効性を中心に同プロジェクトの全容を解説し、安全解析における残存課題を議論する。

論文

PWRアクシデントマネジメントと原子炉計装の役割に関するROSA-V実験研究

鈴木 光弘; 竹田 武司; 浅香 英明; 中村 秀夫

日本機械学会2005年度年次大会講演論文集, Vol.3, p.223 - 224, 2005/09

PWR冷却材喪失事故(LOCA)時における運転員の的確なアクシデントマネジメント(AM)操作に必要な原子炉計装として、保有水量検出システムと炉心出口温度計(CET)を取り上げ、それらの特性に関する実験結果を述べる。原研のROSA-V/LSTF実験施設を使用した実験では原子炉底部小破断LOCAを模擬し、高圧注入系の不作動と蓄圧注入系からの非凝縮性ガス流入がある場合に、AM策の1つである2次系減圧の効果について明らかにした。その中で水位計3種による保有水量検出システムは、初期状態から炉心露出に至る過程で大部分の保有水変化を検出した。また炉心過熱条件を検出するためのCETの特性は、2次系減圧操作時の凝縮水流下により著しく阻害された。

報告書

Experimental study on secondary depressurization action for PWR vessel bottom small break LOCA with HPI failure and gas inflow (ROSA-V/LSTF test SB-PV-03)

鈴木 光弘; 竹田 武司; 浅香 英明; 中村 秀夫

JAERI-Research 2005-014, 170 Pages, 2005/06

JAERI-Research-2005-014.pdf:7.64MB

大型非定常試験装置(LSTF)を使用したROSA-V計画において、加圧水型原子炉(PWR)の小破断冷却材喪失事故(SBLOCA)模擬実験を実施し、高圧注入系(HPI)不作動時に重要なアクシデント・マネージメント(AM)策の炉心冷却効果を調べた。LSTFはウェスティングハウス社の4ループPWR(3423MWt)を実高,容積比1/48で模擬する装置である。この実験(SB-PV-03)では、PWRコールドレグ0.2%破断に相当する原子炉容器底部計装管10本破断を模擬し、HPIの不作動と蓄圧注入系(AIS)からの非凝縮性ガス流入を想定し、定率-55K/hでの2次系減圧と30分間の補助給水(AFW)作動を運転員のAM操作として実施した。その結果、これらのAM操作はAIS注入終了圧力1.6MPaまでは1次系減圧に効果的であったが、その後、非凝縮性ガスが流入したため減圧効果は低下した。このため低圧注入系(LPI)の作動開始が遅れ、破断口では水流出が継続していたので全炉心露出に至った。本報ではこれらの熱流動現象に加え、1次系保有水量の推移及びAM操作と関連づけた炉心加熱挙動、1・2次系間の熱伝達及び1次系ループへの非凝縮性ガス流入等に関する解析結果について述べる。

論文

Thermal-hydraulic responses during PWR pressure vessel upper head small break LOCA based on LSTF experiment and analysis

竹田 武司; 浅香 英明; 鈴木 光弘; 中村 秀夫

Proceedings of 13th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-13) (CD-ROM), 8 Pages, 2005/05

制御棒駆動装置貫通ノズルの周方向のクラックは、PWRの小破断LOCAを引き起こす可能性がある。しかし、原子炉容器上部ヘッド小破断LOCAに関する実験的及び解析的研究は少ない。このため、LSTFを用いて、破断サイズ0.5%の上部ヘッド小破断LOCA模擬実験を行った。実験において、上部ヘッドにおける蓄水が、破断流量を制御する現象となることを見いだした。制御棒案内管の貫通孔近傍が蒸気中に露出するまで、制御棒案内管を介して、上部プレナム内の冷却材は上部ヘッドに流入した。また、二相流放出過程において、上部ヘッドコラプスト水位の振動現象が見られた。RELAP5/MOD3コードは、二相流放出過程における破断流量を過大評価し、実験より早く炉心のボイルオフが開始した。そこで、二相流放出過程における放出係数を破断流量の測定値と比較し補正することにより、上部プレナムと炉心のコラプスト水位は実験結果とよく一致した。この二相流放出係数を用いて、高圧注入系不作動条件下で破断面積が炉心冷却に与える影響を調べた。破断面積が1.5$$sim$$2.5%の場合、1次系圧力が蓄圧注入系の作動圧力まで低下することにより、炉心の温度上昇が抑制される可能性があることを示した。

報告書

長時間のROSA-V全交流電源喪失実験における加圧器構造材と冷却材の熱的相互作用に関する研究

鈴木 光弘

JAERI-Tech 2002-071, 171 Pages, 2002/10

JAERI-Tech-2002-071.pdf:11.26MB

本報は大型非定常試験装置(LSTF)を用いて実施した全交流電源喪失実験の加圧器熱流体挙動を解析したものである。LSTFでは米国のAP600型原子炉をモデルとした上記実験を実施したが、その長時間の原子炉冷却・減圧過程で、一旦喪失した加圧器水位が再上昇し、蒸気配管まで満水にする特徴的事象が見られた。実験結果の分析により、これは自然循環が停留した蒸気発生器伝熱管内で冷却材が減圧沸騰を開始した条件下で、加圧器蒸気配管で蒸気凝縮が継続したことに起因するものと判断された。本報はRELAP5/MOD3コードによる解析と実験結果の分析により、蒸気配管部の凝縮減圧効果と加圧器壁の熱源効果という、2種類の構造材-冷却材熱的相互作用を定量的に解明した。また加圧器系の熱損失特性を評価した。加えて実機加圧器系との熱的特性の相違についても明らかにした。

報告書

ROSA/LSTF experiment report for RUN SB-CL-24; Repeated core heatup phenomena during 0.5% cold leg break

鈴木 光弘; 安濃田 良成

JAERI-Tech 2000-016, p.173 - 0, 2000/03

JAERI-Tech-2000-016.pdf:7.25MB

本報告は大型非定常実験装置(LSTF)において実施した0.5%低温側配管破断LOCA実験結果をまとめ、2次系減圧操作の効果と炉心過熱事象が繰り返し発生する原因を明らかにしたものである。本実験(SB-CL-24)では、高圧注入系と蒸気発生器補助給水系が作動しない場合を想定し、蒸気発生器逃し弁開作動により1次系の減圧を促進した。この結果、蓄圧注入系が作動したが、低圧注入系の作動圧力(1.29MPa)まで1次系圧力が低下しないうちに2次系保有水が喪失して1次系は昇圧し、蓄圧注入系の停止後にボイルオフ状態で炉心の上半分が過熱状態になった。加圧器逃し弁等の1次系減圧操作で急減圧し、低圧注入系作動により炉心過熱状態は解消した。過渡条件下でループシールクリアリングは3回発生した。本報では、事故検出計装による炉心冷却不全事象の検出特性等についても詳細に評価した。

論文

Core makeup tank behavior observed during the ROSA-AP600 experiments

与能本 泰介; 近藤 昌也; 久木田 豊; L.S.Ghan*; R.R.Schultz*

Nuclear Technology, 119, p.112 - 122, 1997/08

 被引用回数:28 パーセンタイル:87.68(Nuclear Science & Technology)

原研ではROSA-V/LSTF装置を用いてウエスチングハウス社AP600炉に関する冷却材喪失事故模擬実験を実施している。実験結果より、AP600炉特有の炉心補給水タンク(CMT)での熱水力挙動は自然循環期と排水期の二つに分類できることが示された。自然循環期ではコールドレグから高温水が流入しCMT内に明確な温度成層が生じた。他方、排水期は、1インチ以下の破断の場合にはフラッシングにより、2インチ以上の場合にはコールドレグからの気相の進入により、開始した。これらのCMT挙動は他の安全機器の影響を受け、例えば、畜圧注入系の作動によりCMTからの排水速度は低下し、自動減圧系の作動により、排水速度は増加した。均圧配管内が空になってからはCMT水位の低下速度は自由落下の式でほぼ近似することができた。

論文

ROSA-AP600 Experiment simulating a steam generator tube rupture transient

中村 秀夫; 久木田 豊; L.S.Ghan*; R.R.Schultz*

Proc. of 1997 Int. Meeting on Advanced Reactors Safety, 0, p.1245 - 1252, 1997/06

AP600炉における蒸気発生器(SG)の伝熱管多数本同時破断事象を模擬した実験を、改造したROSA-V/LSTF(体積比1/30.5)を用いて行った。その結果、静的安全系である静的余熱除去系(PRHR)と炉心補給水タンク(CMT)の、いずれも自然循環による熱除去が、原子炉スクラムとほぼ同時の起動後すぐに炉心崩壊熱出力を大きく上回り($$>$$2倍)、1次系圧力をSG2次系圧力近くまで短時間で低下させたため、運転員操作が無くても炉心をサブクール水中に維持できることが分かった。更にその熱除去は、高温配管(hot leg)温度をSG2次系より低下させ、2次系圧力を逃がし弁開の設定値以下に維持した。しかし、PRHRからの低温の冷却水は、他のROSA/AP600小破断模擬実験同様、低温配管(cold leg)に大きな温度差($$>$$100K)の温度成層を生じることが分かった。

論文

RELAP5/MOD3 analysis of a ROSA-IV/LSTF loss-of-RHR experiment with a 5% cold leg break

C.J.Choi*; 中村 秀夫

Annals of Nuclear Energy, 24(4), p.275 - 285, 1997/00

 被引用回数:7 パーセンタイル:52.66(Nuclear Science & Technology)

RELAP5/MOD3バージョン3.1.2コードを用い、PWRの炉停止後でミッドループ運転中に、余熱除去系が何らかの原因で停止した場合に生じる事象を模擬したROSA-IV/LSTF実験につき、実験後解析を行った。解析には、コールドレグに5%破断相当の開口部を仮定した実験の結果を用いた。コードは、余熱除去系停止後に生じる炉心での冷却材沸騰開始時刻や、1次系の最高圧力等を良く予測した。しかし、解析では蒸気発生器伝熱管で早期に蒸気凝縮が開始したため、ループシール排除の時刻が遅れた。さらに、コードは振動的な計算結果を生じ、それに起因する数値丸め誤差によって大きなマスエラーを生じた。ただし、1次系の圧力上昇に伴って破断口から流出する冷却材の量が、マスエラーと相殺したため、1次系の圧力や冷却材の量等、主要なパラメータには影響を与えないことがわかった。

論文

Small break LOCA tests at ROSA-V/LSTF on next generation PWR designs

与能本 泰介; 大津 巌; 近藤 昌也; 安濃田 良成; 久木田 豊*

Eighth Int. Topical Meeting on Nuclear Reactor Thermal-Hydraulics (NURETH-8), 1, p.535 - 542, 1997/00

PWRにおける小破断冷却材喪失事故時の重力注入系(GDIS)と二次側自動減圧系(SADS)の有効性を実験的に検討した。GDISとSADSは次世代PWRの安全システムの候補になっている。ROSA-V/LSTF装置を用いて4回のLOCA実験を行った。実験により、1)SADSの作動により一次系はGDIS作動圧力の約0.2MPaまで低下する、2)一次系と二次系の圧力差は、U字管内の伝熱様式と二次側水位に影響を受ける、3)一次系に注入された冷却水中の溶存ガスが析出することにより、不凝縮ガスがU字管に蓄積する、4)対向流制限によりU字管内に水が蓄積する、5)低圧条件で系全体の長期振動が生じる、等の特徴的な現象が見いだされた。

論文

ROSA/AP600 testing; Facility modifications and initial test results

久木田 豊; 与能本 泰介; 浅香 英明; 中村 秀夫; 熊丸 博滋; 安濃田 良成; T.J.Boucher*; M.G.Ortiz*; R.A.Shaw*; R.R.Schultz*

Journal of Nuclear Science and Technology, 33(3), p.259 - 265, 1996/03

 被引用回数:29 パーセンタイル:89.75(Nuclear Science & Technology)

原研と米国原子力規制委員会は、ROSA-V計画大型非定常装置(LSTF)を用いてウエスチング社が開発したAP600型炉の過渡現象に関する確証総合実験を共同で行っている。本装置はもともと在来型の4ループ加圧水型原子炉を模擬しているが、AP600特有の機器を付加する改造を行った。改造後のLSTFはAP600を圧力、高さについては1/1で、体積については1/30.5で模擬している。94年8月までに、本装置を用いて、コールドレグ破断、均厚配管破断、自動減圧系誤差開放を起因事象とする冷却材喪失事故に関する5回の実験を行った。実験結果は、炉心冷却と崩壊熱除去に関するAP600受動安全系の良好な性能を示している。

論文

Cold leg one inch break LOCA experiment for the ROSA-AP600 project

与能本 泰介; R.Shaw*; 久木田 豊

3rd JSME/ASME Joint Int. Conf. on Nuclear Engineering (ICONE), 2, p.1053 - 1058, 1995/00

原研と米国原子力規制委員会が共同で実施している新型炉AP600に関する安全性確証実験計画(ROSA-AP600計画)における第1回実験としてコールドレグの1インチ破断実験を行った。実験にはAP600の主要な安全機器を体積比1/30.5、高さ比1/1で模擬するように改造されたROSA-V/LSTF装置を使用した。破断直後から静的余熱除去系(PRHR)において炉心崩壊熱を上まわる自然循環除熱がなされた。この自然循環により一次系圧力は連続的に減少を続け、一次系内下部に低温水は蓄積し、炉心はサブクール水に覆われた。実験で見られたPRHRにおける自然循環熱伝達は本研究で提案する伝熱相関式パッケージを使用することにより良く予測された。

論文

ROSA/AP600 testing: Facility modifications and initial test results

久木田 豊; 与能本 泰介; 浅香 英明; 中村 秀夫; 熊丸 博滋; 安濃田 良成; T.J.Boucher*; M.G.Ortiz*; R.A.Shaw*; R.R.Schultz*

NUREG/CP-0140 (Vol. 2), 0, p.203 - 216, 1995/00

原研と米国原子力規制委員会は、ROSA-V計画大型非定常装置LSTFを用いてウエスチング社のAP600炉の過渡現象に関する高圧での確証総合実験を共同で行っている。もともと従来型の加圧水型原子炉を模擬する本装置にAP600特有の機器を付加する改造を行った。改造されたLSTFはAP600炉を圧力、高さについては1/1で、体積については1/30.5で模擬している。これまで、本装置を用いて、コールドレグ、圧力均圧配管、圧力容器直接注入配管の破断に関する7回の冷却材喪失事故実験を行った。実験結果は、概ね、炉心冷却と崩壊熱除去に関するAP600の良好な性能を示している。

論文

受動安全PWR(AP600)の事故時熱水力挙動に関する総合実験

安濃田 良成; 久木田 豊; 与能本 泰介; 浅香 英明; 中村 秀夫; 熊丸 博滋; T.J.Boucher*; M.G.Ortiz*; R.A.Shaw*; R.R.Schultz*

日本機械学会第72期通常総会講演会講演論文集,III, 0, p.413 - 414, 1995/00

原研は、米国NRCとの協定に基づき、受動安全機能を高めた次世代のPWRであるウェステングハウス社のAP600炉の工学的安全性に関する総合実験を、ROSA-V計画LSTF装置にAP600炉特有の機器を付加して実施している。これまでに、コールドレグ、均圧ライン、DVIラインの小破断LOCA及び全交流電源喪失や蒸気発生器伝熱管破断を原因とする異常な過渡変化に関する実験を合計10回実施した。これら全ての実験において、AP600炉の受動安全機器がほぼ想定どおり作動し、十分な炉心冷却が維持された。また、1次系圧力は大気圧付近まで自動的に減圧され、最終的にIRWSTから重力のみによる連続的な注水が行われた。その他、蓄圧注水系から1次系内に流入した窒素の影響や、直接接触凝縮による圧力変動が観察されたが、これらは系全体の挙動に大きな影響を与えるものではなかった。

論文

Long-term oscillations of pressurizer liquid level observed during ROSA/AP600 experiments

与能本 泰介; 久木田 豊

Proc. of the 1995 Int. Joint Power Generation Conf. (NE-Vol. 17), 2, p.25 - 31, 1995/00

原研と米国NRCが共同で進めているROSA-AP600計画において行われた実験で、第4段階の自動減圧系(ADS)が作動した後、当初予測していなかった加圧器水位の振動が見られた。振動の振幅は約1m、周期は約100秒であった。この振動に対応し、圧力容器水位、圧力、ADS流量などにも振動が生じた。振動の原因は、ホットレグに連続的な蒸気空間が存在するため加圧器に水位が安定に存在できなかったことによる。この間炉心流量は振動的であったが、炉心冷却は十分に保たれた。振動は加圧器水位がなくなるまで数千秒間継続した。

論文

Passive safety injection experiments with a large-scale PWR simulator

与能本 泰介; 久木田 豊; 安濃田 良成; 浅香 英明

Proc. of ARS 94 Int. Topical Meeting on Advansed Reactors safety, 1, p.216 - 223, 1994/00

受動安全注入系の事故時熱水力挙動を調べるために、PWR模擬装置LSTFを用いて、二つの小破断LOCA実験を行なった。実験では、タンクと配管で構成される受動注入系と二段階の自動減圧系(ADS)を使用し、ADSの作動ロジックを実験パラメータとした。両実験結果ともに、破断直後からタンクと一次系の間で自然循環が生じ、その後、タンク内水位が連続的に低下した。水位低下速度は、ADS作動ロジツクの違いからより急激な減圧が生じた実験において、2倍以上大きくなった。これは、減圧速度が大きい場合、より多量の蒸気がタンク内で発生し、これが水位を押し上げたことによっている。この結果は受動安全注入系の注入速度を決めるうえで、ADS作動ロジックが極めて重要であることを示している。両実験で測定されたタンク内の水温分布は以前に著者らにより開発された受動安全タンクモデルにより良く予測された。

論文

Secondary bleed and passive feed during PWR station blackout(TMLB) transient; Experimental simulation at full pressure and temperature

安濃田 良成; 片山 二郎*; 久木田 豊; R.Mandl*

Power Plant Transients,1992; FED-Vol. 140, p.89 - 96, 1993/00

ROSA-IV/LSTF装置を用いて、全電源喪失時の2次系減圧操作に関する実験を行った。原子炉の全電源喪失事故は、極めて起こりにくい事故ではあるが、原子炉リスクを考えるうえで重要である。本事故シナリオでは、発電所外および所内の全ての動力用電源(非常用電源も含む)が使用不能であり、かつタービン駆動補助給水系が不作動であると仮定した。この様な事故がシビアアクシデントに拡大することを防止する手段として、2次系減圧操作の有効性について実験した。この操作は、給水ポンプ停止後も給水ラインに残留している未飽和水が減圧沸騰する際の体積膨張によって、蒸気発生器2次側に噴出する効果を利用するものである。実験では、この操作によって、1次系圧力が急低下し、加圧器内に保持されていた1次冷却材が減圧沸騰により押出され、炉心に移行した。その結果、炉心は冠水し、冷却が維持された。

論文

Characteristic responses of core exit thermocouples during inadequate core cooling in small break LOCA experiments conducted at large-scale test facility(LSTF) of ROSA-IV program

鈴木 光弘

Proc. of the 2nd ASME/JSME Nuclear Engineering, p.63 - 68, 1993/00

加圧水型原子炉を模擬する大型非定常試験装置(LSTF)の小破断冷却材喪失事故実験を対象として、炉心冷却不全(ICC)事象を検出する炉心出口温度計(CET)の検出特性を明らかにした。1979年の米国TMI事故以降、直接的なICC検出システムとしてCETは重視されてきたが、大口径破断を中心とした米国LOFT実験での特性研究以外では、このCET特性を明らかにした研究はない。本報では、高圧注入系の不作動等を仮定してICC条件を作り、破断位置及び破断口径等の実験条件を変えた21件の実験を対象として次の結果を得た。1)小口径破断のICC条件下では、CET温度特性はICC検出に役立つ。2)検出おくれ時間は低温側破断で破断口径が大きい程長くなり、10%破断では検出できなかった。3)低温側10%破断の場合を除き、ICC検出おくれ時間を、CETの検出時間(破断後)の関数で表わした(誤差$$pm$$11%以内)。なお一般化の課題も示した。

論文

Application of new coolant inventory tracking method to PWR small break LOCA simulation experiments at ROSA-IV/LSTF

鈴木 光弘

Journal of Nuclear Science and Technology, 29(6), p.547 - 558, 1992/06

ウエスチングハウス・タイプの加圧水型原子炉を対象に考案した新しい一次系冷却材保有量検出方法について、原研の大型非定常試験装置で実施した種々の小破断冷却材喪失事故実験に適用した結果をまとめた。この方法の特徴は、炉心冷却不全事象(ICC)の発生前に一次系冷却材の減少を検出できる点にある。一次系冷却材保有量の検出は、全ての一次系ループにおいて蒸気発生器出口プレナムを含む垂直部分の水位を測ることにより、かつ、この水位と一次系冷却材保有量とを関係づける簡単な関係式を用いることにより、行なう。主たる検出範囲は、初期冷却材容積の30~60%である。既存の原子炉容器水位測定システムの持つ制約についても明らかにした。

報告書

A BWR pump suction-line 200% break test at ROSA-III program(RUN 903); Effect of prolonged recirculation pump operation

鈴木 光弘; 中村 秀夫; 与能本 泰介; 熊丸 博滋; 安濃田 良成; 村田 秀男

JAERI-M 91-103, 156 Pages, 1991/07

JAERI-M-91-103.pdf:4.59MB

本報はROSA-III計画で実施したBWR200%配管破断実験(RUN903)の結果をまとめ、再循環ポンプ運転継続によるシステム挙動への影響を明らかにしたものである。ROSA-IIIの標準的実験条件としては、初期状態の炉心出力がBWR条件の44%と低いために炉心流量を低くして1次系のエンタルピ分布を模擬した。従って実験開始後は、初期流量が少い上にポンプ慣性が小さいため、炉心側へ駆動される冷却水量が少なくなり、これは炉心冷却条件にも影響を及ぼしていた。本実験で再循環ポンプを破断後運転継続した所、約40kg(初期保有水量の約6%)の冷却水が炉心側へ輸送され、特に破断初期に見られた炉心燃料棒のヒートアップを大巾に減少させる結果をもたらした。この実験結果は実炉のLOCA条件における炉心温度挙動の考察に重要である。

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